起業するときお金ない場合（現物出資）

株式会社を設立するときに資本金は１円でも起業できることになっています。しかし１円で起業する方はほとんどいないかと思います。

資本金は商売をする上での元手です。ある意味、信用力につながっています。資本金が１円の会社の場合には、周りから「まじめに商売する気があるの？」という目で見られてします。

最初に苦労することが口座の開設かと思います。最近はマネーロンダリングなどの対策などという名目で、なかなか簡単には新規口座を作らせてもらえないことがおおいです。さすがに1円の資本金では、金融機関も信用してくれないのです。もちろん、絶対に口座開設させてくれないということではないのですが、その可能性は一般的な法人よりはぐっと高まります。

資本金は謄本（とうほん）という会社の身分証のようなものにも記載されます。（余談ですが謄本には会社の住所、役員の名前、住所なども記載されます。）この謄本はさまざまなところで使います。例えば携帯電話をはじめとするさまざまな契約をするときに使います。

なお取引先によっては、新規取引を始める場合に、謄本や決算書の提出を求めてくる会社もあるようで、こういったときに資本金が相手に見られることがあります。

資本金はある程度の額あった方がよいのは分かったけれども、現金がないという場合には、自分で持っているパソコンや車を提供して、資本金にするという方法があります。

こういった方法を現物出資といいます。

少額の現物出資の場合には、現金での出資とほとんど同じような手続きで登記を行うことができます。ただ、やはり現金の出資による手続きよりは少々手間が増えることも事実ですので、あくまでもお金がどうしても準備できないときの方法として現物出資は捉えてください。

少額の現物出資はほとんど現金での出資と同じと書きましたが、現物出資の場合にはその出資するパソコンや車の情報（型番など）が必要となってきます。

パソコンなどであれば型番などの情報を使います（必要な情報はカタログなどに載っているかと思います。）

車であれば車検証に載っている情報を使います。

※車など名義を登録するものを現物出資した場合には、個人から会社への名義変更が必要となってきます。

このページでは十分な資本金を用意できない場合の対応法のひとつとして現物出資という方法をご紹介しました。さすがに、資本金1円などで法人設立を行ってしまうと見栄えが良くなく、銀行が口座開設に対応してくれないようなことも有りうるので、資本金額は重要ですからね。

少額（500万円以下）の現物出資は比較的簡単に行うことができますので、ご検討されてみてはいかがでしょうか。どうしても資本金がないと言うときのひとつの選択肢として、現物出資を覚えておいてくださればと思います。