会社設立後の集客・営業の悩み

企業が継続していくためには、まずは売上が必要です。お金は企業にとっては血液だと言われるように、企業内を流れる血がなければ、何もできないのです。

アイディアや技能、商品があったとしても、お金がなければ仕入も外注もできないですし、労働力の確保もできません。広告もできなければ、営業すらほとんどできないのです。そういった意味から、売上こそがすべてに優先して大切だと言えるでしょう（もちろん、道徳観や、経営理念を捻じ曲げてまで作られた売上は良くありませんが）。

まずは会社設立（法人設立）や個人事業開業をしたら、集客・売上を作ることが最優先の課題であり、第一段階の悩みになることは当然なのです（軌道に乗ってくると、更に重いであろう「人の悩み」なども出てきます）。例外があるとすれば、ベンチャーキャピタルなどから出資を受けて、IT関連の開発事業を長期に渡って行う場合などでしょう。この場合は、まさに開発が最重要の悩み・課題となるでしょう。

売上を上げるだけなら、実は簡単な方法があります。値下げすればよいのです。それも無謀な値下げをすれば、当然売れるでしょう。しかし、このような売り方をしてしまうと、利益が出てきません。きちんと原価計算を行い、販売管理費も含めたところでの損益計算も行った上で適正な商品（サービス）価格を決定して、集客・営業を行いたいものです。

顧客に対して、途中から値上げのお願いをするのは中々骨の折れる作業です。起業時は何とか顧客獲得をしたいですし、交渉慣れしていないことも多いので、ついつい判断が鈍り、異常に安い金額で契約してしまうことがあります。このような取引が多くなると、売っても売っても儲からない体質の会社となりかねないのでご注意ください。

優れた集客・営業手法と優れた商品・サービスがあれば、きちんとした価格で起業時から売れるものです。

集客・営業がうまくいかないと、悩みは深くなり、いつまでも売上が十分に得られないのではないかと思うこともあります。当税理士事務所も最初はそうでした。売上よりも毎月の経費の方がずっと大きいので、どんどん預金残高も減少していきます。これは経営者にとっては大きな不安になりますよね。

しかし、やはり重要なことは諦めずに、様々な手法を試していくことです。失敗ばかりでも、たった1つの集客・営業方法が当たると、一気に突破口が開けるものなのです。せっかく勇気を持って起業をしたのですから、何とかこの最初の段階を乗り越えてくださればと思っております。

最初は中々集客できないのは当たり前で、そのような不安は多くの経営者が乗り越えてきているものですので、皆様も乗り越えられるものと信じております。

資金繰りが苦しくなるもの、創業時は当たり前かもしれません。売上が十分になければ、お金はどんどんと流出しますので。また、売上がある程度あったとしても、入金よりも支払の期間が短ければ、やはり運転資金として一定のお金は流出します。

例えば、当月の売上の入金が2ヶ月後になるようなケースでは、その2か月間で支出する経費に相当する運転資金が必ず必要になるのです。そこで資金面で不安が出てしまうと、集客・営業には資金投入ができなくなってしまいます。

集客・営業を効率的に行うためにも、会社設立（法人設立）後には創業融資の獲得も検討したいところではありますね。一度融資を受けると言うのは、経営者の経験としても大切かと思います。

起業後、最初に集客・営業がうまく行った頃の興奮や喜びは、大きいものです。そして、その気持ちは忘れないことが大切だと思います。

経営が伸びて、当たり前のように顧客獲得をできるようになっても、当初の喜びや感謝を忘れてしまっては、良いサービスをお客様に提供しようという気持ちが薄れてしまいます。

集客・営業はできて当たり前のものではないですし、自社の商品やサービスを買ってもらって当たり前でもないのです。

いつまでも感謝の気持ちを持ち続け、経営者として更なるステップアップをするためにも、起業時の売上の喜びはたまに思い出したいものですね。